仲裁判断

 

仲裁判断(2015年7月29日公開)
仲裁判断の骨子(2015年7月22日公開)


仲裁判断

仲 裁 判 断
公益財団法人日本スポーツ仲裁機構
JSAA-AP-2015-006

申立人         X


被申立人    岐阜県バレーボール協会(Y)

被申立人代理人 弁護士 酒井 俊皓

        弁護士 堀田 裕二

        弁護士 井神 貴仁


主   文


本件スポーツ仲裁パネルは次のとおり判断する。

1 請求の趣旨(1)にかかる申立てを却下する。

2 請求の趣旨(2)及び(3)を棄却する。

3 申立料金54,000円は、申立人の負担とする。


 

理   由

第1 当事者の求めた仲裁判断


1 申立人は、以下のとおりの仲裁判断を求めた。

(1)2015年3月28日開催の被申立人理事会(以下、「本件理事会」という。)において被申立人が決定した、被申立人に関する役員資格を永久に停止する旨の処分を取り消す(請求の趣旨(1))。

(2)本件理事会において被申立人が決定した、被申立人が関係する全ての事業でのベンチ入りを永久に禁止する旨の処分を取り消す(請求の趣旨(2))。

(3)本件理事会において被申立人が決定した、岐阜県中学校体育連盟(以下、「中体連」という。)による大会(以下、「中体連大会」という。)のベンチ入りを永久に禁止する旨の処分を取り消す(請求の趣旨(3))。

(4)申立料金は、被申立人の負担とする。


2 被申立人は、以下のとおりの仲裁判断を求めた。

(1)申立人の請求をいずれも棄却する。

(2)申立料金は申立人の負担とする。


第2 事案の概要


 本件は、被申立人が、2014年10月から2015年1月頃、岐阜県A市立B中学校(以下、「B中学校」という。)男子バレーボール部(以下、「本件バレー部」という。)の顧問であった申立人が同部に所属していた男子部員複数名を指導する際、暴力行為及び暴言があったことを理由として、2015年3月28日、本件理事会において、「岐阜県バレーボール協会競技者及び役員倫理規程」(以下、「本件規程」という。)に基づき、被申立人に関する役員資格を永久に停止するとともに、中体連大会を含む被申立人が関係する全ての事業におけるベンチ入りを永久に禁止するとの処分決定(以下、「本件処分」という。)を行ったところ、申立人が、被申立人に対し、本件処分に当たって弁明の機会が付与されなかったこと、本件処分の通知書(甲2)に処分の前提となった事実と処分の理由が書かれていないこと、また、処分の程度が著しく重いことなどを理由として、本件処分の取消しを求めたものである。


第3 判断の前提となる事実


 両当事者間に争いのない事実、並びに、証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実は、以下のとおりである。


1 申立人について


 申立人は、B中学校に勤務する教諭であり、本件処分当時、被申立人に登録された本件バレー部の顧問として、同部の監督の地位にあった者である。申立人は、遅くとも2001年からは被申立人の下部組織であるCバレーボール協会(以下、「C協会」という。)の副理事長(指導普及委員長)を務め、遅くとも2009年からは被申立人の下部組織である中体連バレーボール専門部の指導普及委員長を務め、2011年からは被申立人の理事を務めていた。


2 被申立人について


 被申立人は、岐阜県におけるバレーボール競技を統括する、公益財団法人日本バレーボール協会(以下、「JVA」という。)の加盟団体である。


3 仲裁合意について


 本件規程第5条には「本会の決定に対する不服は、(財)日本バレーボール協会を通して、日本スポーツ仲裁機構に対して申立て」を行う旨の規定があるため、両当事者間には仲裁合意がある。


4 本件処分に至る経緯等


(1) 2015年3月16日、被申立人が設置していたホームページ上に掲載されている問い合わせ先に対して、匿名による電子メールで本件バレー部において体罰が行われている旨の通報がなされた(甲5)。

(2) 2015年3月19日、被申立人理事長であるD(以下、「D理事長」という。)から依頼を受けたC協会の理事長であるE(以下、「E理事長」という。)らが、B中学校において申立人から事実確認のための事情聴取を行った(以下、「本件事情聴取」という。乙1、乙10)。

(3) 本件事情聴取の際、申立人は、「行為の対象となった生徒は別人である」、「いずれの生徒も怪我をしていない」、「蹴ったことについても、足で軽く指示を出すような形で軽く蹴ったような形になった」、「人格を否定するような事は言っていない」などと説明した。

(4) 2015年3月20日、C協会のE理事長は、被申立人に対して、「A市立B中学校男子バレーボール部での体罰問題事実確認報告」(乙1)(以下、「本件報告書」という。)と題する書面を作成し、提出した。

(5) 2015年3月25日、被申立人は、倫理委員会(以下、「本件倫理委員会」という。)を開催し、本件報告書に基づき、2014年10月から2015年1月頃における下記の事実(以下、「本件認定事実」という。)を認定した上で、本件処分を内容とする処分案を本件理事会に提出した(乙2)。

   ① 部員生徒複数名が髪の毛をつかまれた

   ② 部員生徒複数名が軽く足で蹴られた

   ③ 部員生徒が胸ぐらをつかまれた

   ④ 部員生徒複数名が暴言を言われた

(6) 2015年3月28日、被申立人は、本件理事会を開催し、本件倫理委員会からの報告及び処分案の提出を受けて、本件処分を承認した。なお、本件理事会においては、申立人から改めて本件認定事実について事情を聴取することはなかったが、前述のとおり本件理事会が開催された時点では申立人は被申立人の理事であったため、申立人に対して本件理事会の招集通知を発送しており、申立人は委任状を提出していた(乙15)。

(7) 2015年4月3日、被申立人は、本件処分の内容を記載した通知(以下、「本件処分通知」という。)(甲2)を作成し、同日、申立人に対して手交した。

(8) 被申立人の「岐阜県バレーボール協会事務局及び専門委員会細則」(甲7)においては、倫理委員会は、「日本バレーボール協会倫理規定に基づき運営する」(同第14条第1項)とされ、JVA倫理規程(甲8)上は、「規程違反の認定は、結論及びその理由を示した文書により行い、同書面には倫理委員会委員長および委員が署名する」(同第5条第4項)とされていたものの、本件処分通知(甲2)には本件認定事実は明記されておらず、かつ、本件規程第3条所定の禁止事項のどの規定に違反するのかが明記されていなかった。

(9) 申立人は、被申立人に対し、2015年6月1日付け「質問状」(乙3の1)において、本件処分通知の「岐阜県バレーボール協会が関係する全ての事業でのベンチ入りを永久に禁止」との処分に中体連大会のベンチ入りの永久禁止についても含まれるか質問したところ、被申立人は含まれる旨の回答を同年6月9日付け「回答書」(乙3の2)により行った。


第4 仲裁手続の経過


 別紙に記載のとおり。


第5 争点


 本件における争点は以下のとおりである。

1 本件処分の決定手続に瑕疵があるといえるか。

2 本件処分の内容が、著しく合理性を欠くといえるか。

3 被申立人は申立人の中体連大会のベンチ入りを禁止する権限を有するのか。


第6 本件スポーツ仲裁パネルの判断


1 請求の趣旨(1)に対する判断


 被申立人は、請求の趣旨(1)について棄却を求めており、申立人の役員資格に関する処分がそもそもスポーツ仲裁規則の適用の範囲内か否かという点については争っていないが、スポーツ仲裁規則第26条に基づき、以下のとおり判断する。

(1)スポーツ仲裁規則第2条第1項は、「スポーツ競技またはその運営に関して競技団体またはその機関が行った決定について、当該決定に不服がある競技者等(その決定の間接的な影響を受けるだけの者は除く。)が申立人として、競技団体を被申立人としてする仲裁申立てに適用される」と定めている。そして、同規則第3条第2項によれば、「競技者等」とは、「スポーツ競技における選手、監督、コーチ、チームドクター、トレーナー、その他の競技支援要員及びそれらの者により構成されるチームをいう」とされ、「競技団体の評議員、理事、職員その他のスポーツ競技の運営に携わる者を除く」として、理事は明文で除外され、役員についても除外されると解される。

(2)前述のとおり、申立人は、本件処分当時、①被申立人の下部組織であるC協会の副理事長、②中体連バレーボール専門部の指導普及委員長、及び③被申立人の理事の地位にあった者であり、①と③については理事、②については役員であるから、スポーツ仲裁規則にいう「競技者等」に当たらない。

 

(3)よって、本件スポーツ仲裁パネルは、請求の趣旨(1)について当該請求にかかる申立てを却下する。


2 判断の基準について


 競技団体の決定の効力が争われたスポーツ仲裁における仲裁判断基準として、日本スポーツ仲裁機構の仲裁判断の先例によれば、「日本においてスポーツ競技を統括する国内スポーツ連盟については、その運営について一定の自律性が認められ、その限度において仲裁機関は国内スポーツ連盟の決定を尊重しなければならない。仲裁機関としては、①国内スポーツ連盟の決定がその制定した規則に違反している場合、②規則には違反していないが著しく合理性を欠く場合、③決定に至る手続に瑕疵がある場合、または④規則自体が法秩序に違反しもしくは著しく合理性を欠く場合において、それを取り消すことができると解すべきである。」と判断されており(JSAA-AP-2003-001号仲裁事案(ウェイトリフティング)、JSAA-AP-2003-003号仲裁事案(身体障害者水泳)、JSAA-AP-2004-001号仲裁事案(馬術)、JSAA-AP-2009-001号仲裁事案(軟式野球)、JSAA-AP-2009-002号仲裁事案(綱引)、JSAA-AP-2011-001号仲裁事案(馬術)、JSAA-AP-2011-002号仲裁事案(アーチェリー)、JSAA-AP-2011-003号仲裁事案(ボート)、JSAA-AP-2013-003号仲裁事案(水球)、JSAA-AP-2013-004号仲裁事案(テコンドー)、JSAA-AP-2013-023号仲裁事案(スキー)、JSAA-AP-2013-022号仲裁事案(自転車)、JSAA-AP-2014-003号仲裁事案(テコンドー)、JSAA-AP-2014-007号仲裁事案(自転車)、JSAA-AP-2014-008号仲裁事案(ホッケー)、JSAA-AP-2015-002号仲裁事案(ホッケー)、JSAA-AP-2015-003号仲裁事案(ボート))、本件スポーツ仲裁パネルもこの基準が妥当であると考える。

 よって、本件においても、上記基準に基づき判断する。


3 請求の趣旨(2)に対する判断


(1)争点1について

 申立人は、弁明の機会が付与されなかったこと、本件処分通知に処分の前提となった事実と処分の理由が書かれていないことをもって、本件処分決定において手続的瑕疵があったとして、本件処分が取り消されるべきであると主張するので、上記判断基準③に照らし判断する。

 一般的に、スポーツ競技またはその運営に関して、競技団体またはその機関が競技者等に対して何らかの不利益処分を行う際、その処分の内容が実体的に適法であるのみならず、処分の基礎となる事実の認定について被処分者の実体上の権利の保護に欠けることのないよう、適正・公正な手続を履践することが要求される。もっとも、手続的に不備があるとしても、それが手続的瑕疵として処分を取り消すか否かは、当該処分の目的や性質、被処分者の事情、処分の態様や程度その他一切の事情を斟酌しつつ個別的に決するほかはない。

 先ず、弁明の機会の付与の有無について判断する。弁明の機会を付与するに当たっては、被処分者に対して防御の機会を与えるため、処分の対象となる認定事実及び処分の可能性を明らかにした上で、被処分者に口頭または書面で弁明させることが最も望ましいといえる。しかし、明示的に弁明の機会として、被処分者に弁明等をする機会が与えられなかったとしても、実質的に、弁明の機会が付与され被処分者の防御権の侵害がなかったと認められる場合には、処分を取り消すほどの手続的瑕疵があるとはいえないと解するのが相当である。

 本件についてこれをみるに、確かに、不利益処分を行う場合、明文上、弁明の機会を設けることが規定されている(甲1、甲8)にもかかわらず、被申立人が申立人に対して明示的に弁明の機会を付与したとする証拠はない。しかし、本件処分に当たっては、被申立人のD理事長からの指示を受けてC協会のE理事長が本件事情聴取を実施した際、申立人は、「行為の対象となった生徒は別人である」、「いずれの生徒も怪我をしていない」、「蹴ったことについても、足で軽く指示を出すような形で軽く蹴ったような形になった」、「人格を否定するような事は言っていない」などと説明したことが認められる。これらの申立人の説明は、申立人自身が被申立人から処分を受ける可能性があることを踏まえて、処分の対象となる事実として認定が予想される事項についてなされたものと解するのが相当である。そして、関係証拠によれば、申立人による上記説明内容は、本件倫理委員会及び本件理事会にも伝えられ、これを踏まえて本件処分が決定されたものと認められる。また、申立人は本件理事会の招集通知を受領し、委任状出席をしていたことからすれば、本件理事会に出席し弁明をすることもできたにもかかわらず、その機会を放棄したともいえる。これらの事実を総合的に勘案するならば、申立人に対する弁明の機会は実質的に与えられていたものと解され、申立人の防御権を侵害する程度の手続違反があったとまで評価することはできない。

 次に、本件処分通知に処分の前提となった事実と処分の理由が書かれていないことについて判断する。

 確かに、本件処分通知(甲2)には本件認定事実は明記されておらず、かつ、本件規程所定の禁止事項のいずれの規定に違反するのかが明記されていなかった。しかし、本件処分の決定手続の間、申立人と被申立人との間で本件処分の対象となる本件認定事実自体には争いがなく、相互に共通の認識があったと認められる。また、本件認定事実がいずれの規定に違反するのかが明記されていなくとも、申立人は、本件認定事実が本件規程により禁止される事項であることを認識していたと認められる。

 したがって、本件処分に当たっては、申立人の防御権を侵害する程度の手続違反があったとまで評価することはできない。

 以上からして、本件処分の決定手続において、明示的に弁明の機会が付与されず、また本件処分通知に処分の前提となった事実と処分の理由が書かれていなかったという手続的不備はあるものの、本件処分を取り消すほどの手続的瑕疵があるとは認められない。

(2)争点2について

 本件スポーツ仲裁パネルが争点2について判断するに当たっては、上記2記載の判断基準のうち、「②規則には違反していないが著しく合理性を欠く場合」、すなわち、被申立人の裁量権の行使に基づく処分が社会通念上著しく合理性を欠き、裁量権の範囲を逸脱してこれを濫用したと認められた場合に限り、違法であると判断すべきである。

 本件についてこれをみるに、確かに、被申立人においては処分基準やガイドラインが設けられておらず、また、被申立人自身も、被申立人が関係する全ての大会におけるベンチ入りを「永久に禁止」するという処分は、最も重い処分として行った旨認めている。しかし、被申立人において体罰の根絶を目指してその決意を表明していたこと(乙8、乙11、乙12)、申立人は被申立人の理事であり主導的に体罰を根絶する立場にあったこと、「永久に禁止」といっても本件バレー部の部員などからの署名が提出されるなど本件処分後の事情の内容次第によっては、再度理事会を開催し、処分の解除・短縮を決定することも可能であり、本件処分もその前提で決定されていること、本件処分において禁止されているのは被申立人が関係する大会におけるベンチ入りのみであり、指導者資格そのものについては影響なく、現に申立人も本件バレー部の練習に際して指導を継続していることが認められる。これらの事実からすれば、被申立人が、体罰を根絶する立場にあった申立人に対して、処分の解除を視野に置きつつ、通常よりも厳しい本件処分を行ったとしても、被申立人の裁量権の行使に基づく本件処分が社会通念上著しく合理性を欠き、裁量権の範囲を逸脱してこれを濫用したとまではいえない。

(3)小括

 本件スポーツ仲裁パネルは、以上のように争点1及び争点2について判断するので、請求の趣旨(2)について棄却するものである。


4 請求の趣旨(3)に対する判断(争点3について)


 申立人は、平成27年度岐阜県中学校総合体育大会プログラム(甲17の1)において、あくまでも「主催」は岐阜県中学校体育連盟であり、被申立人は「後援」団体の一つに過ぎない旨指摘し、被申立人には中体連大会へのベンチ入りを制限する権利はないと主張する。

 しかし、平成27年度岐阜県バレーボール協会競技会実施要領(乙4)によれば、「本年度の県協会主催並びに主管する競技会は、本要領によって実施する」と記載され、「県大会を行う全国大会・ブロック大会等」として、「県中学校総体兼全日本中学校選手権大会県予選会」が掲げられている。そして、同大会に出場するには「中学校として有効に登録されたチーム」である必要があるとし、「参加資格」第1項として、平成27年度JVA登録規程によって有効に登録されることを要求していることが認められる。

 したがって、被申立人は中体連大会を主管していると認められ、中体連大会は本件規程第1条にいう「岐阜県バレーボール協会」「関係」の大会であり、申立人は同条にいう「競技者(選手、チーム、チーム関係者を含む。)」に該当し、被申立人には本件規程第4条第1項により、中体連大会への出場を停止する権限があると認められる。

 よって、本件スポーツ仲裁パネルは、請求の趣旨(3)についても棄却するものである。


第7 結論


 以上の次第であるから、請求の趣旨(1)にかかる申立ては却下するとともに、請求の趣旨(2)及び(3)は棄却し、申立料金については申立人の負担とすることとする。

 よって、本件スポーツ仲裁パネルは、主文のとおり判断する。

 

以上

2015年7月21日

スポーツ仲裁パネル    

仲裁人 伊東   卓 

仲裁人 合田 雄治郎 

仲裁人 石原  遥平 


仲裁地:東京


(別紙)

仲裁手続の経過

1. 2015年6月24日、申立人は、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(以下、「機構」という。)に対し、「仲裁申立書」「証拠説明書」及び書証(甲第1~16号証)を提出し、本件仲裁を申し立てた。

2. 同月25日、機構は、スポーツ仲裁規則(以下、「規則」という。)第15条第1項に定める確認を行った上、同条項に基づき申立人の仲裁申立てを受理した。

3. 同月30日、機構は、伊東卓、合田雄治郎及び石原遥平に「仲裁人就任のお願い」を送付した。

 同日、伊東卓、合田雄治郎は、仲裁人就任を承諾した。

4. 同年7月1日、石原遥平は、仲裁人就任を承諾し、伊東仲裁人を仲裁人長とする、本件スポーツ仲裁パネルが構成された。

5. 同月6日、本件スポーツ仲裁パネルは、審問開催日、審問当日の出席者、証人尋問申請及び答弁書提出期限に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(1)」を行った。

6. 同月8日、被申立人は、機構に対し、「答弁書」「委任状」及び書証(乙第1、2号証)を提出した。

7. 同月9日、被申立人は、機構に対し、「証拠説明書」「ご連絡 H27.7.9」と題する書面及び書証(乙第3、4号証)を提出した。

8. 同月10日、本件スポーツ仲裁パネルは、両当事者に対する主張書面及び証拠の提出の要請に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(2)」を行った。

9. 同月13日、申立人は、機構に対し、「申立人主張書面」、「証拠説明書」及び書証(甲第17~23号証)を提出した。

 同日、被申立人は、機構に対し、「主張書面(1)」及び書証(乙第5~7号証)を提出した。

10. 同月14日、被申立人は、機構に対し、書証(乙第8~15号証)を提出した。

11. 同月15日、岐阜において審問が開催された。

 両当事者から冒頭陳述がなされた後、本件スポーツ仲裁パネルから両当事者に主張内容の確認がなされた。審問期日において、被申立人は、機構に対し、書証(乙第9号証の3)を提出した。その後、当事者尋問、証人尋問が実施された。また、仲裁パネルから、被申立人は翌16日中に「証拠説明書(2)」の提出をすることが確認された。

12. 同月16日、被申立人は、機構に対し、「証拠説明書(2)」を提出した。

 本件スポーツ仲裁パネルは、被申立人の「証拠説明書(2)」の提出に伴い、審理を終結した。


以上

 

以上は,仲裁判断の謄本である。

公益財団法人日本スポーツ仲裁機構

代表理事(機構長) 山本 和彦



仲裁判断の骨子

仲 裁 判 断 の 骨 子
公益財団法人日本スポーツ仲裁機構
JSAA-AP-2015-006

申立人         X


被申立人    岐阜県バレーボール協会(Y)

被申立人代理人 弁護士 酒井 俊皓

        弁護士 堀田 裕二

        弁護士 井神 貴仁


主   文


本件スポーツ仲裁パネルは次のとおり判断する。

1 請求の趣旨(1)にかかる申立てを却下する。

2 請求の趣旨(2)及び(3)を棄却する。

3 申立料金54,000円は、申立人の負担とする。


 

理   由

第1 当事者の求めた仲裁判断


1 申立人は、以下のとおりの仲裁判断を求めた。

(1)2015年3月28日開催の被申立人理事会(以下、「本件理事会」という。)において被申立人が決定した、被申立人に関する役員資格を永久に停止する旨の処分を取り消す(請求の趣旨(1))。

(2)本件理事会において被申立人が決定した、被申立人が関係する全ての事業でのベンチ入りを永久に禁止する旨の処分を取り消す(請求の趣旨(2))。

(3)本件理事会において被申立人が決定した、岐阜県中学校体育連盟(以下、「中体連」という。)による大会(以下、「中体連大会」という。)のベンチ入りを永久に禁止する旨の処分を取り消す(請求の趣旨(3))。

(4)申立料金は、被申立人の負担とする。


2 被申立人は、以下のとおりの仲裁判断を求めた。

(1)申立人の請求をいずれも棄却する。

(2)申立料金は申立人の負担とする。


第2 事案の概要


 本件は、被申立人が、2014年10月から2015年1月頃、岐阜県A市立B中学校(以下、「B中学校」という。)男子バレーボール部(以下、「本件バレー部」という。)の顧問であった申立人が同部に所属していた男子部員複数名を指導する際、暴力行為及び暴言があったことを理由として、2015年3月28日、本件理事会において、「岐阜県バレーボール協会競技者及び役員倫理規程」(以下、「本件規程」という。)に基づき、被申立人に関する役員資格を永久に停止するとともに、中体連大会を含む被申立人が関係する全ての事業におけるベンチ入りを永久に禁止するとの処分決定(以下、「本件処分」という。)を行ったところ、申立人が、被申立人に対し、本件処分に当たって弁明の機会が付与されなかったこと、本件処分の通知書(甲2)に処分の前提となった事実と処分の理由が書かれていないこと、また、処分の程度が著しく重いことなどを理由として、本件処分の取消しを求めたものである。


第3 判断の前提となる事実


1 申立人について


 申立人は、B中学校に勤務する教諭であり、本件処分当時、被申立人に登録された本件バレー部の顧問として、同部の監督の地位にあった者である。申立人は、遅くとも2001年からは被申立人の下部組織であるCバレーボール協会(以下、「C協会」という。)の副理事長(指導普及委員長)を務め、遅くとも2009年からは被申立人の下部組織である中体連バレーボール専門部の指導普及委員長を務め、2011年からは被申立人の理事を務めていた。


2 被申立人について


 被申立人は、岐阜県におけるバレーボール競技を統括する、公益財団法人日本バレーボール協会(以下、「JVA」という。)の加盟団体である。


3 仲裁合意について


 本件規程第5条には「本会の決定に対する不服は、(財)日本バレーボール協会を通して、日本スポーツ仲裁機構に対して申立て」を行う旨の規定があるため、両当事者間には仲裁合意がある。


4 本件処分に至る経緯等


(1)2015年3月16日、被申立人が設置していたホームページ上に掲載されている問い合わせ先に対して、匿名による電子メールで本件バレー部において体罰が行われている旨の通報がなされた(甲5)。

(2)2015年3月19日、被申立人理事長であるD(以下、「D理事長」という)から依頼を受けたC協会の理事長であるE(以下、「E理事長」という。)らが、B中学校において申立人から事実確認のための事情聴取を行った(以下、「本件事情聴取」という。乙1、乙10)。

(3)本件事情聴取の際、申立人は、「行為の対象となった生徒は別人である」、「いずれの生徒も怪我をしていない」、「蹴ったことについても、足で軽く指示を出すような形で軽く蹴ったような形になった」、「人格を否定するような事は言っていない」などと説明した。

(4)2015年3月20日、C協会のE理事長は、被申立人に対して、「A市立B中学校男子バレーボール部での体罰問題事実確認報告」(乙1)(以下、「本件報告書」という。)と題する書面を作成し、提出した。

(5)2015年3月25日、被申立人は、倫理委員会(以下、「本件倫理委員会」という。)を開催し、本件報告書に基づき、2014年10月から2015年1月頃における下記の事実(以下、「本件認定事実」という。)を認定した上で、本件処分を内容とする処分案を本件理事会に提出した(乙2)。

   ① 部員生徒複数名が髪の毛をつかまれた

   ② 部員生徒複数名が軽く足で蹴られた

   ③ 部員生徒が胸ぐらをつかまれた

   ④ 部員生徒複数名が暴言を言われた

(6)2015年3月28日、被申立人は、本件理事会を開催し、本件倫理委員会からの報告及び処分案の提出を受けて、本件処分を承認した。なお、本件理事会においては、申立人から改めて本件認定事実について事情を聴取することはなかったが、前述のとおり本件理事会が開催された時点では申立人は被申立人の理事であったため、申立人に対して本件理事会の招集通知を発送しており、申立人は委任状を提出していた(乙15)。

(7)2015年4月3日、被申立人は、本件処分の内容を記載した通知(以下、「本件処分通知」という。)(甲2)を作成し、同日、申立人に対して手交した。

(8)被申立人の「岐阜県バレーボール協会事務局及び専門委員会細則」(甲7)においては、倫理委員会は、「日本バレーボール協会倫理規定に基づき運営する」(同第14条第1項)とされ、JVA倫理規程(甲8)上は、「規程違反の認定は、結論及びその理由を示した文書により行い、同書面には倫理委員会委員長および委員が署名する」(同第5条第4項)とされていたものの、本件処分通知(甲2)には本件認定事実は明記されておらず、かつ、本件規程第3条所定の禁止事項のどの規定に違反するのかが明記されていなかった。

(9)申立人は、被申立人に対し、2015年6月1日付け「質問状」(乙3の1)において、本件処分通知の「岐阜県バレーボール協会が関係する全ての事業でのベンチ入りを永久に禁止」との処分に中体連大会のベンチ入りの永久禁止についても含まれるか質問したところ、被申立人は含まれる旨の回答を同年6月9日付け「回答書」(乙3の2)により行った。


第4 争点


 本件における争点は以下のとおりである。

1 本件処分の決定手続に瑕疵があるといえるか。

2 本件処分の内容が、著しく合理性を欠くといえるか。

3 被申立人は申立人の中体連大会のベンチ入りを禁止する権限を有するのか。


第5 本件スポーツ仲裁パネルの判断


1 請求の趣旨(1)に対する判断


 被申立人は、請求の趣旨(1)について棄却を求めており、申立人の役員資格に関する処分がそもそもスポーツ仲裁規則の適用の範囲内か否かという点については争っていないが、スポーツ仲裁規則第26条に基づき、以下のとおり判断する。

(1)スポーツ仲裁規則第2条第1項は、「スポーツ競技またはその運営に関して競技団体またはその機関が行った決定について、当該決定に不服がある競技者等(その決定の間接的な影響を受けるだけの者は除く。)が申立人として、競技団体を被申立人としてする仲裁申立てに適用される」と定めている。そして、同規則第3条第2項によれば、「競技者等」とは、「スポーツ競技における選手、監督、コーチ、チームドクター、トレーナー、その他の競技支援要員及びそれらの者により構成されるチームをいう」とされ、「競技団体の評議員、理事、職員その他のスポーツ競技の運営に携わる者を除く」として、理事は明文で除外され、役員についても除外されると解される。

(2)前述のとおり、申立人は、本件処分当時、①被申立人の下部組織であるC協会の副理事長、②中体連バレーボール専門部の指導普及委員長、及び③被申立人の理事の地位にあった者であり、①と③については理事、②については役員であるから、スポーツ仲裁規則にいう「競技者等」に当たらない。

 

(3)よって、本件スポーツ仲裁パネルは、請求の趣旨(1)について当該請求にかかる申立てを却下する。


2 判断の基準について


 競技団体の決定の効力が争われたスポーツ仲裁における仲裁判断基準として、日本スポーツ仲裁機構の仲裁判断の先例によれば、「日本においてスポーツ競技を統括する国内スポーツ連盟については、その運営について一定の自律性が認められ、その限度において仲裁機関は国内スポーツ連盟の決定を尊重しなければならない。仲裁機関としては、①国内スポーツ連盟の決定がその制定した規則に違反している場合、②規則には違反していないが著しく合理性を欠く場合、③決定に至る手続に瑕疵がある場合、または④規則自体が法秩序に違反しもしくは著しく合理性を欠く場合において、それを取り消すことができると解すべきである。」と判断されており(JSAA-AP-2003-001号仲裁事案(ウェイトリフティング)、JSAA-AP-2003-003号仲裁事案(身体障害者水泳)、JSAA-AP-2004-001号仲裁事案(馬術)、JSAA-AP-2009-001号仲裁事案(軟式野球)、JSAA-AP-2009-002号仲裁事案(綱引)、JSAA-AP-2011-001号仲裁事案(馬術)、JSAA-AP-2011-002号仲裁事案(アーチェリー)、JSAA-AP-2011-003号仲裁事案(ボート)、JSAA-AP-2013-003号仲裁事案(水球)、JSAA-AP-2013-004号仲裁事案(テコンドー)、JSAA-AP-2013-023号仲裁事案(スキー)、JSAA-AP-2013-022号仲裁事案(自転車)、JSAA-AP-2014-003号仲裁事案(テコンドー)、JSAA-AP-2014-007号仲裁事案(自転車)、JSAA-AP-2014-008号仲裁事案(ホッケー)、JSAA-AP-2015-002号仲裁事案(ホッケー)、JSAA-AP-2015-003号仲裁事案(ボート))、本件スポーツ仲裁パネルもこの基準が妥当であると考える。

 よって、本件においても、上記基準に基づき判断する。


3 請求の趣旨(2)に対する判断


(1)争点1について

 申立人は、弁明の機会が付与されなかったこと、本件処分通知に処分の前提となった事実と処分の理由が書かれていないことをもって、本件処分決定において手続的瑕疵があったとして、本件処分が取り消されるべきであると主張するので、上記判断基準③に照らし判断する。

 一般的に、スポーツ競技またはその運営に関して、競技団体またはその機関が競技者等に対して何らかの不利益処分を行う際、その処分の内容が実体的に適法であるのみならず、処分の基礎となる事実の認定について被処分者の実体上の権利の保護に欠けることのないよう、適正・公正な手続を履践することが要求される。もっとも、手続的に不備があるとしても、それが手続的瑕疵として処分を取り消すか否かは、当該処分の目的や性質、被処分者の事情、処分の態様や程度その他一切の事情を斟酌しつつ個別的に決するほかはない。

 先ず、弁明の機会の付与の有無について判断する。弁明の機会を付与するに当たっては、被処分者に対して防御の機会を与えるため、処分の対象となる認定事実及び処分の可能性を明らかにした上で、被処分者に口頭または書面で弁明させることが最も望ましいといえる。しかし、明示的に弁明の機会として、被処分者に弁明等をする機会が与えられなかったとしても、実質的に、弁明の機会が付与され被処分者の防御権の侵害がなかったと認められる場合には、処分を取り消すほどの手続的瑕疵があるとはいえないと解するのが相当である。

 本件についてこれをみるに、確かに、不利益処分を行う場合、明文上、弁明の機会を設けることが規定されている(甲1、甲8)にもかかわらず、被申立人が申立人に対して明示的に弁明の機会を付与したとする証拠はない。しかし、本件処分に当たっては、被申立人のD理事長からの指示を受けてC協会のE理事長が本件事情聴取を実施した際、申立人は、「行為の対象となった生徒は別人である」、「いずれの生徒も怪我をしていない」、「蹴ったことについても、足で軽く指示を出すような形で軽く蹴ったような形になった」、「人格を否定するような事は言っていない」などと説明したことが認められる。これらの申立人の説明は、申立人自身が被申立人から処分を受ける可能性があることを踏まえて、処分の対象となる事実として認定が予想される事項についてなされたものと解するのが相当である。そして、関係証拠によれば、申立人による上記説明内容は、本件倫理委員会及び本件理事会にも伝えられ、これを踏まえて本件処分が決定されたものと認められる。また、申立人は本件理事会の招集通知を受領し、委任状出席をしていたことからすれば、本件理事会に出席し弁明をすることもできたにもかかわらず、その機会を放棄したともいえる。これらの事実を総合的に勘案するならば、申立人に対する弁明の機会は実質的に与えられていたものと解され、申立人の防御権を侵害する程度の手続違反があったとまで評価することはできない。

 次に、本件処分通知に処分の前提となった事実と処分の理由が書かれていないことについて判断する。

 確かに、本件処分通知(甲2)には本件認定事実は明記されておらず、かつ、本件規程所定の禁止事項のいずれの規定に違反するのかが明記されていなかった。しかし、本件処分の決定手続の間、申立人と被申立人との間で本件処分の対象となる本件認定事実自体には争いがなく、相互に共通の認識があったと認められる。また、本件認定事実がいずれの規定に違反するのかが明記されていなくとも、申立人は、本件認定事実が本件規程により禁止される事項であることを認識していたと認められる。

 したがって、本件処分に当たっては、申立人の防御権を侵害する程度の手続違反があったとまで評価することはできない。

 以上からして、本件処分の決定手続において、明示的に弁明の機会が付与されず、また本件処分通知に処分の前提となった事実と処分の理由が書かれていなかったという手続的不備はあるものの、本件処分を取り消すほどの手続的瑕疵があるとは認められない。

(2)争点2について

 本件スポーツ仲裁パネルが争点2について判断するに当たっては、上記2記載の判断基準のうち、「②規則には違反していないが著しく合理性を欠く場合」、すなわち、被申立人の裁量権の行使に基づく処分が社会通念上著しく合理性を欠き、裁量権の範囲を逸脱してこれを濫用したと認められた場合に限り、違法であると判断すべきである。

 本件についてこれをみるに、確かに、被申立人においては処分基準やガイドラインが設けられておらず、また、被申立人自身も、被申立人が関係する全ての大会におけるベンチ入りを「永久に禁止」するという処分は、最も重い処分として行った旨認めている。しかし、被申立人において体罰の根絶を目指してその決意を表明していたこと(乙8、乙11、乙12)、申立人は被申立人の理事であり主導的に体罰を根絶する立場にあったこと、「永久に禁止」といっても本件バレー部の部員などからの署名が提出されるなど本件処分後の事情の内容次第によっては、再度理事会を開催し、処分の解除・短縮を決定することも可能であり、本件処分もその前提で決定されていること、本件処分において禁止されているのは被申立人が関係する大会におけるベンチ入りのみであり、指導者資格そのものについては影響なく、現に申立人も本件バレー部の練習に際して指導を継続していることが認められる。これらの事実からすれば、被申立人が、体罰を根絶する立場にあった申立人に対して、処分の解除を視野に置きつつ、通常よりも厳しい本件処分を行ったとしても、被申立人の裁量権の行使に基づく本件処分が社会通念上著しく合理性を欠き、裁量権の範囲を逸脱してこれを濫用したとまではいえない。

(3)小括

 本件スポーツ仲裁パネルは、以上のように争点1及び争点2について 判断するので、請求の趣旨(2)について棄却するものである。


4 請求の趣旨(3)に対する判断(争点3について)


 申立人は、平成27年度岐阜県中学校総合体育大会プログラム(甲17の1)において、あくまでも「主催」は岐阜県中学校体育連盟であり、被申立人は「後援」団体の一つに過ぎない旨指摘し、被申立人には中体連大会へのベンチ入りを制限する権利はないと主張する。

 しかし、平成27年度岐阜県バレーボール協会競技会実施要領(乙4)によれば、「本年度の県協会主催並びに主管する競技会は、本要領によって実施する」と記載され、「県大会を行う全国大会・ブロック大会等」として、「県中学校総体兼全日本中学校選手権大会県予選会」が掲げられている。そして、同大会に出場するには「中学校として有効に登録されたチーム」である必要があるとし、「参加資格」第1項として、平成27年度JVA登録規程によって有効に登録されることを要求していることが認められる。

 したがって、被申立人は中体連大会を主管していると認められ、中体連大会は本件規程第1条にいう「岐阜県バレーボール協会」「関係」の大会であり、申立人は同条にいう「競技者(選手、チーム、チーム関係者を含む。)」に該当し、被申立人には本件規程第4条第1項により、中体連大会への出場を停止する権限があると認められる。

 よって、本件スポーツ仲裁パネルは、請求の趣旨(3)についても棄却するものである。


第6 結論


 以上の次第であるから、請求の趣旨(1)にかかる申立ては却下するとともに、請求の趣旨(2)及び(3)は棄却し、申立料金については申立人の負担とすることとする。

 よって、本件スポーツ仲裁パネルは、主文のとおり判断する。

 

以上

2015年7月21日

スポーツ仲裁パネル    

仲裁人 伊東   卓 

仲裁人 合田 雄治郎 

仲裁人 石原  遥平 


仲裁地:東京


 

以上は,仲裁判断の謄本である。

公益財団法人日本スポーツ仲裁機構

代表理事(機構長) 山本 和彦


  ※申立人等、個人の氏名、地域名はアルファベットに置き換え、各当事者の住所については削除してあります。