仲裁判断

 

仲裁判断(2017年8月22日公開)


仲裁判断

仲 裁 判 断
公益財団法人日本スポーツ仲裁機構
JSAA-AP-2016-007,008

JSAA-AP-2016-007事件
申立人  X1

JSAA-AP-2016-008事件
申立人  X2

 

両事件
被申立人  公益財団法人日本自転車競技連盟(Y)
被申立人代理人  弁護士 畑   敬
         弁護士 小池 修司


本件につき、スポーツ仲裁パネルは下記のとおり判断する。

2017年8月22日

スポーツ仲裁パネル
仲裁人 山内 貴博
仲裁人 手塚 裕之
仲裁人 早川 吉尚

仲裁地:東京

 

主  文

 

 

1 第22回全日本シクロクロス選手権大会(兼2017年シクロクロス世界選手権代表候補選手選考会。以下「本件大会」という。)において、2016年12月10日、被申立人がX1に行った、「エントリー締め切り後のチーム変更に対して以下の者に警告を与える。202 X1(D・G(Gはブランド名))」との決定を取り消せとの請求を棄却する。
2 本件大会において、2016年12月10日、被申立人がX1のチーム名を「E」から「D・G」に独断で変更した決定を取り消せとの請求を棄却する。
3 本件大会において、2016年12月11日、被申立人が申X2に行った、「侮辱、脅迫、下品な行為(コミッセールに向けて唾を吐く)を理由に罰金10,000円を科す」との決定を取り消せとの申立てを却下する。
4 申立人らの名誉と地位を回復するために被申立人のホームページで謝罪をせよとの申立てを却下する。
5 申立料金54,000円はそれぞれ申立人らの負担とする。

 

 

理  由

第1 当事者の求めた仲裁判断

 

1 申立人らは、以下のとおりの仲裁判断を求めた。
(1) 被申立人AがX1 X2に2016年12月12日に行った
コミュニケ7 エントリー締め切り後のチーム変更に対して以下のものに警告を与える
コミュニケ11 女子のレースにおけるペナルティ
という決定を取り消せ。
(2) X1のチーム名をAが独断で変更した決定を取り消せ。
正 E
誤 D・G
(3) 仲裁申立料金は被申立人の負担とする。
(4) X1とX2の名誉と地位を回復するために被申立人のホームページで謝罪をせよ。
 なお、X1及びX2(両名をあわせて「申立人ら」という。)は、「公益財団法人日本自転車競技連盟」(以下「日本自転車競技連盟」という。)を被申立人としつつ、上記(1)項及び(2)項においては、「被申立人A」が行った決定の取消しを求めると記載している。しかし、Aは被申立人に所属する審判員であり、Aは、被申立人の機関として上記決定を行ったと考えられるから、上記決定を行った主体は日本自転車競技連盟であり、申立人らは、同連盟を被申立人として、同連盟が行った決定の取消しを求めているものと解する。
 また、上記(1)項で引用されているコミュニケに記載された決定文は、正確には、以下のとおりである。
「コミュニケ7 エントリー締め切り後のチーム変更に対して以下の者に警告を与える。202 X1(D・G)」
「コミュニケ11 罰金10,000円 侮辱、脅迫、下品な行為(コミッセールに向けて唾を吐く) X2」
 以下、X1に関する上記「コミュニケ7」記載の決定を「本件決定1」といい、X1に関する上記(2)記載の決定を「本件決定2」といい、X2に関する上記「コミュニケ11」記載の決定を以下「本件決定3」という。
2 被申立人は以下のとおりの仲裁判断を求めた。
(1) 申立人らの申立てを却下する。
(2) 申立人らの請求をいずれも棄却する。
(3) 申立料金はそれぞれ申立人らの負担とする。

 

 

第2 仲裁手続の経過

 

 別紙に記載のとおり。

 

第3 事案の概要(両当事者に争いのない事実及び証拠により容易に認められる事実)

 

1 当事者
  X1は、自転車競技の競技者である。X2は、自転車競技の競技者であるとともに、監督の役を務めることもある者である。
被申立人は、自転車競技の国内競技団体である。

 

2 本件大会
(1) 本件大会は、以下のとおり開催された。
  主催:被申立人
  日程:2016年12月10日(土)及び11日(日)
  会場: 道の駅うつのみや ろまんちっく村特設コース
(2) 本件大会のコミセール(自転車競技における審判員のこと)は、チーフ・コミセールをAが、コミセールをB及びCが務め、この3名によりコミセール・パネルが構成された。

(3) X1は、2016年11月15日、所属チームを「E」とし、監督をX2として、本件大会に参加申し込みをした。

 

3 X1に対する警告がなされるに至る経緯
 2016年12月10日午後3時から開始されたライセンス・コントロールにおいて、Aが、X1が持参したジャージを確認したところ、所属チームの名称である「E」の記載がない金色の競技用ジャージ(以下「申立人ジャージ①」という。)であった。Aがこれを問いただすと、X1は、申立人ジャージ①が一般に市販されたものであり、「E」という名称が記載されていないものであることを認めた上で、何故これを着ることができないのかと主張した。

 Aが、申立人ジャージ①を着用してレースには出場できないと説明したところ、X1は、「D」「BIKE SHOP D」「D MADE IN F(Fは地域名)」と記載された白色のジャージ(以下「申立人ジャージ②」という。)を提示し、このジャージなら出場できるかと尋ねた(申立人ジャージ②に記載された文字については、申立人らが提出した写真により認定され、両当事者間に争いがない。)。なお、被申立人が発行したX1の2016年国際競技者登録証(国際ライセンス。乙9)には、「Club/クラブ:D・G」と記載されていた。
 その後のA・申立人ら間のやりとりの内容については争いがあるも、最終的には、Aは、X1のチーム名が「E」から「D・G」に変更されたものとして扱い、X1が申立人ジャージ②を着用してレースに出場することを認めた上で、エントリー締め切り後のチーム名変更であることを理由に警告を言い渡すこととし、この制裁は2016年12月10日付けコミュニケ7(乙11)に記載された。

 

4 X2に対する警告がなされるに至る経緯
 2016年12月10日午後4時15分から、監督・ライダーズミーティング(チーム代表者会議)が行われた。この席上、「オンボード・カメラについては、ハンドルバーより下に取り付けて競技者本人や他の競技者に危険を及ぼすものでないこと、レース中に着脱不可能であること、競技者にレース情報を送るものでないこと、を条件として使用を認める」ことが告知された(2016年12月19日付け日本自転車競技連盟レースレポート(乙6)・10-6項)。
 2016年12月11日午後0時28分ころ、女子レースのスタート直前の状況で、X1はスタートライン付近に待機した。Aは、X1の自転車に設置されたオンボード・カメラがハンドルバーより上に取り付けられていることに気づき、X1に近づき、カメラに接触しながら(接触の態様については争いがある。)、「オンボード・カメラ、ハンドルより下につけるように昨日いいましたよね。」と述べた。X1は監督のX2に、「オンボード・カメラ、ハンドルより下につけてって。」と言うと、X2は、立っていた場所からやや前に出て来て、X1に対し「これでレギュレーション通ってるからいいよ。」と述べた。Aがその場から退避しようと下がって行くと、X2はAの方に歩いて行き、両者が向かい合う格好になったところで、唐突にAの足元に向かって唾を吐きかけた(X2は、審問期日において、唾を吐きかけたことを自認した。)。

 

X2の当該行為に関しては、被申立人競技規則の付表3ペナルティ表29及びUCI規則Part 12「懲戒および手続き」の12.1.040項・別表29項における「侮辱、脅迫、下品な行動」に該当するものとして、10,000円の罰金が科され、この制裁は2016年12月11日付けコミュニケ11(乙11)に記載された。

 

5 申立人らの本仲裁申立て

 申立人らは、被申立人が行った上記措置に不服があり、「第1 当事者の求めた仲裁判断」記載のとおりの仲裁判断を求めて、本仲裁を申し立てた。

 

第4 当事者の主張

1 X1の主張
(1) 上記ライセンス・コントロールの際、申立人ジャージ①を着用してレースには出場できず、申立人ジャージ②を着用すればレースには出場できると主張するAに対し、X1及びX2は、そのルール上の根拠を提示せよと迫ったが、Aはそのルールを提示できなかった。また、Aは、合意書面をかわすことなく、X1のチーム名を独断で変更した。
(2) X1は、過去の国際レース(2016年11月26日・27日の「UCI野辺山のレース」及び11月20日の「UCIマキノ高原のレース」)において、「E」というチーム名の下、申立人ジャージ①を着用してレースに出場したが、いずれもUCIコミセールの確認を得ており、何も問題は起きておらず、表彰式にも対応した。
(3) Aの上記措置は、明文化されていない「A独自ルール」による警告であり、X1の名誉を著しく毀損するものである。
(4) Aの上記措置は、UCI規則Part 12「懲戒および手続き」の12.1.015項「National Federations may not introduce other penalties for infringements of the UCI Constitution and Regulations. 国内連盟は、UCI定款および規則の違反に対して、その他のペナルティを科してはならない。」に反する。
(5) したがって、本件決定1及び2は取り消されるべきであり、かつ、名誉回復措置が必要である。

 

2 X2の主張
(1) X1は、レース直前の午後0時15分前後に行われたUCIコミセールのバイクチェックをクリアしていた。にもかかわらず、Aは、レーススタート1分前に、X1のオンボード・カメラに対しクレームをつけ、同選手の機材を叩くという暴挙に及んだ。どのような理由があれ、スタート直前の選手を妨害し、機材を叩くという行為は、断固非難され、排除されるべきである。
(2) スタート直前の妨害により集中力を著しく害されたX1に対し「A氏の発言はルール外なので関係がない」とその場で伝えたX2をAは追いかけるという、チーフ・コミセールの常軌を逸する行動を行ったが、これはUCIの「CODE OF ETHICS」に明確に違反している。
(3) X2に罰金10,000円の制裁を科したコミュニケ11にはA本人のサインしかなく、ペナルティの事実を証明することができない。被申立人及びUCIのルール上、選手へのペナルティを与える場合は、必ず3名のコミセールが協議の上、コミセール・パネルが選手へのペナルティを与えるのであり、チーフ・コミセールは独断と専任で選手にペナルティを与えることはできない。
(4) そもそも、オンボード・カメラを下に付けなければならないというルールは、UCIのルール上存在しない。レース前日の2016年12月10日に行われた監督・ライダーズミーティングにおいて、X2は、オンボード・カメラの取り付け位置に関し、その裏付けとなるルールを開示せよと迫ったが、Aはそのルールを提示できなかった。
(5) X1は、過去の国際レース(2016年11月26日・27日の「UCI野辺山のレース」及び11月20日の「UCIマキノ高原のレース」)において、本件大会と同じオンボード・カメラを同じ形態で使用しレースに出場したが、いずれもその大会のチーフ・コミセールの確認を得ており、何も問題は起きていなかった。
(6) Aの上記措置は、明文化されていない「A独自ルール」による警告であり、X2の名誉を著しく毀損するものである。
(7) Aの上記行為は、UCI規則Part 12「懲戒および手続き」の12.1.015項「National Federations may not introduce other penalties for infringements of the UCI Constitution and Regulations. 国内連盟は、UCI定款および規則の違反に対して、その他のペナルティを科してはならない。」に反する。

(8) したがって、本件決定3は取り消されるべきであり、かつ、名誉回復措置が必要である。

 

3 被申立人の主張
(1) 本案前の答弁
 スポーツ仲裁規則(以下「仲裁規則」という。)第2条第1項は、仲裁申立ての対象を「スポーツ競技又はその運営に関して競技団体又はその機関が競技者等に対して行った決定(競技中になされる審判の判定は除く。)について、その決定に不服がある競技者等(その決定の間接的な影響を受けるだけの者は除く。)が申立人として、競技団体を被申立人としてする仲裁申立てに適用される。」としている。しかし、申立人らが本件で取消しを求める決定は、「競技中になされる審判の判定」であるから、仲裁申立ての対象とはならず、本件申立てを却下すべきである。
(2) 本案についての答弁
(a) スポーツ仲裁における先例によれば、「日本においてスポーツ競技を統括する国内スポーツ連盟については、その運営について一定の自律性が認められ、その限度において仲裁機関は国内スポーツ連盟の決定を尊重しなければならない。仲裁機関としては、①国内スポーツ連盟の決定がその制定した規則に違反している場合、②規則には違反していないが著しく合理性を欠く場合、③決定に至る手続に瑕疵がある場合、または④規則自体が法秩序に違反しもしくは著しく合理性を欠く場合において、それを取り消すことができると解すべきである。」(JSAA-AP-2003-001号仲裁事案ほか)とされており、本件においてもこの基準によって判断されることが相当である。
(b) 本件大会に適用される規則類
① 本件大会の実施要項(乙1)は、同大会に適用される競技規則は、2016年版被申立人競技規則(乙3。以下「被申立人競技規則」という。)及び大会特別規則であると定めている(第9項)。ただし、大会特別規則は制定されなかった。
② 競技者のジャージについて、被申立人競技規則は、以下のとおり定める。
「第8条(装備)
7. 衣服上の広告表記は以下による。また、競技者の随行者に関しての広告表記は衣服上のものに限り、競技者に認められたものと同一とする。
(1) チームおよび都道府県等選抜チームのジャージ
 チームおよび都道府県等選抜チームは、そのジャージの配色、主要スポンサー等を本連盟に登録しなければならない。(中略)その所属する1名またはそれ以上の競技者が国際競技日程の大会に参加する、地域またはクラブのチームは、年頭に、その衣服の色彩、配色およびスポンサーについての詳細を所属する国内連盟に届け出なければならない。チーム・団体名またはその略称をジャージに表記しなければならない。チーム所属の競技者は上記に従って登録したユニフォームと同じものを着用しなければならない。(以下略)」
「第10条(ユニフォーム)
1. 競技者は、所属するチーム色のジャージおよびパンツを着用する。
3. 審判員は、競技者のジャージ、パンツ、キャップなどの広告に関する規則が順守されているかどうかを常に監督する。規則違反の場合、審判員は出走を拒否できる。」
 本件大会の実施要項は、以下のとおり定める。
「16.
 (5) 2016年度競技者登録証をライセンス・コントロール時に提出すること。
 (6) ライセンス・コントロール時に競技用ジャージを提示して確認を受けること。」
 国際自転車競技連合(Union Cycliste Internationale。以下「UCI」という。)の規則(以下「UCI規則」という。)は、以下のとおり定める。
「1.3.045 国内競技日程上の競技において、チームは、年間を通じて変更できない単一のデザインの衣服(色彩と配色)を使用できる。他の事項については、開催国の国内連盟が決定する。」
③ 大会参加の手続について、被申立人競技規則は、以下のとおり定めている。
「第52条(大会要項と参加手続き)
6. 申込締め切り後は、新たな参加申込みおよび変更は受理されない。」
 UCI規則は、以下のとおり定める。
「1.2.054 主催者は、締切期限を過ぎた登録は受付けない。その旨主催者は遅れた登録の署名者に通知しなければならない。この件が論争になった場合はチーフ・コミセールが解決するものとする。」
④ 被申立人競技規則に違反した場合の制裁について、同規則は、以下のとおり定める。
「第36条(制裁の内容)
制裁の内容は、UCI規則第Ⅶ部第1章による。
1. 警告または戒告
コミセールまたは関係所管は、小さな過失または誤りの行為による違反者に対して、警告または戒告を言い渡すことができる。
2. 罰金
① 国際競技における罰金は、UCI規則に基づき、付表3による。国内競技大会における罰金は、これに準じ、大会特別規則による。」
「付表3・ペナルティ表
29 侮辱、脅迫、下品な行動 いかなる登録者も50~200(スイスフラン)」
 UCI規則は、以下のとおり定める。
「12.1.024 警告または譴責
十分な根拠を示す為には弱い状況である場合、UCIコミセールまたは関係所管は、小さな過失または誤りの行為による違反者に対して、警告または譴責を言い渡すことができる。」
「12.1.040
29.侮辱、脅迫、下品な行動 いかなる登録者も50~200(スイスフラン)」
⑤ 以上の制裁を科す権限がチーフ・コミセール及びコミセール・パネルにあること、チーフ・コミセール及びコミセール・パネルの決定に異議申立てが認められないことについて、被申立人競技規則は、以下のとおり定める。
「第56条(チーフ・コミセール)
1 チーフ・コミセールはコミセール・パネルの責任者であり、競技の審判と進行を総括する。」
「2. 規則に基づいたあらゆる決定をし、また、規則に規定していない事項についてもその解決を図るためのあらゆる権限を持つ。」
「第57条(コミセール・パネル)
2. コミセール・パネルはレース運営の中で変則的なものに気付いた場合はそれを是正しなければならない。」
「コミセールは違反を記録し、自己の権限の範囲でペナルティを科すことができる。」
「ペナルティはコミセール・パネルにより宣言される。」
「3.各コミセールは個々に下記の手段を講じることができる。
②警告、訓戒を与えることができる。」
「6 懲戒に関するUCI規則条項12.1.012を損なわない限り、コミセール・パネルによる、または適切な場合一人のコミセールによる事実の観察、競技における状況の評価、競技規則の適用またはその他の決定に対するいかなる異議申立ても認められない。」
「第38条(異議申立ての方法)
原則としてコミセール・パネルの決定が最終であり、異議申立てをすることはできない。(略)」
 UCI規則は、以下のように定める。
「1.2.128 コミセールは違反を記録し、自己の権限の範囲でペナルティを科すことができる。」
「ペナルティはコミセール・パネルの賛成多数の場合は科せられる。」
⑥ 異議申立てに関し、UCI規則は以下のように定める。
「1.2.132 懲戒に関する第12.1.012条を損なわない限り、コミセール・パネルあるいは適切な場合一人のコミセールによる事実の観察、競技における状況の評価、競技規則の適用あるいはその他の決定に対するいかなる異議申立ても認められない。」
「12.1.012 競技中の問題行為に対するコミセール・パネルまたは審判員の決定が罰金200スイスフラン以上を課されたものでない限り、異議を申立てることはできない。」
(c) 本件決定1及び2について
 Aは、X1が、参加申込書記載のチーム「E」と異なるジャージを着用して本件大会に出場しようとしたことが、被申立人競技規則等に抵触するため、X1の要望に応じる形で、例外的な措置として「TEAM D」への変更を認めた上で警告としたものである。
 X1は、Aが独断で「E」から「TEAM D」に変更したと主張し、かかる変更手続を取り消すよう求めるが、Aが独断で変更した事実はない。すなわち、X1はライセンス・コントロールの現場で自ら、「TEAM D」のジャージを差し出して、「このジャージだったら出られますか」と提案し、このジャージでの出走を求めたX1の要望に応じる形で、Aが「TEAM D」へのチーム名変更を認めたものである。
 以上より、前述の仲裁判断の基準に照らすと、①本件決定1及び2は被申立人競技規則に違反した処分ではない。②本件決定1及び2の制裁(警告)は、当該違反行為の内容と比較衡量しでも相当性を有し、著しく合理性を欠くとはいえない。③本件決定1及び2はチーフ・コミセールであるAに決定権限があり決定手続に瑕疵はない。④締め切り後の変更を認めないとする競技規則及び規則違反に対する制裁を科す旨の被申立人競技規則及びUCI規則自体が法秩序に違反しもしくは著しく合埋性を欠くとはいえない。したがって、上記決定を取り消すべきではない。
(d) 本件決定3について
 審判員であるチーフ・コミセールに対し、コース上で唾を吐く行為が「侮辱」または「下品な行動」に該当することは明白である。
 コミセール・パネルはこれに対し87スイスフランに当たる罰金10,000円を科したものであり、制裁の程度としても相当なものである。
 X2によりかかる行為が行われた理由は、X1のオンボード・カメラの設置方法がルールに反するとAに指摘されたことに対する不満からなされたものであると考えられる。しかし、AがX1に指摘した事項は、前日の監督・ライダーズミーティングで明示されたルールに違反するものだったからであり、違反を指摘すること自体何ら問題はない。仮にルールそのものに不満があるとしても、その抗議の方法は穏当に行われるべきであり、唾を吐くという行為は抗議の手段として適切でない。
 オンボード・カメラの設置に関するルール設定についても、何ら問題はない。オンボード・カメラをハンドルバーより下に取り付けるものとした趣旨は、レース中の接触や転倒等によって競技者本人や他の競技者に危険を及ぼさないようにするためであり、妥当なものであった。なお、かかる設置方法に関するルール設定についてもチーフ・コミセールに権限が与えられている。すなわち、被申立人競技規則16条の構造(3)④には、映像を収集する能力を持つ車上テクノロジ一機器の設置が認められているが、その設置箇所については特段の定めはない(UCI規則1.3.024terにおいて同旨)。そして、被申立人競技規則56条2項には、チーフ・コミセールの権限として「規則に規定していない事項についてもその解決を図るためのあらゆる権限を持つ。」とされている(UCI規則1.2.130において同旨)。
 申立人らは、上記決定がチーフ・コミセールの独断によってなされたものであるとして、手続の瑕疵を主張する。しかし、本件決定3はレース開始後にAがコミセールB及びCとそれぞれ面談し、X2による唾吐き行為の経緯を説明して、コミセール・パネルの判断として罰金を科すことを決定されたものである。したがって、手続に瑕疵はない。
 以上より、本件決定3を前述の仲裁判断の基準に照らすと、①上記決定は被申立人競技規則に違反した処分ではない。②上記決定の制裁(罰金10,000円)が、当該違反行為の内容と比較衡量しでも相当性を有し、著しく合理性を欠くとはいえない。③上記決定はコミセール・パネルによる合意形成の結果なされた決定であり手続に瑕疵はない。④侮辱、脅迫、下品な行動に罰金の制裁を科す被申立人競技規則及びUCI規則自体が法秩序に違反しもしくは著しく合理性を欠くとはいえない。したがって、上記決定を取り消すべきではない。
(e) 謝罪の請求について

 上記決定はいずれも何ら申立人らの名誉を毀損していないから、被申立人が申立人らに対し謝罪する理由はない。

 

第5 スポーツ仲裁パネルの判断

1 本案前の答弁について
(1) 総論
 スポーツ仲裁規則(以下「仲裁規則」という。)第2条第1項は、仲裁申立ての対象を「スポーツ競技又はその運営に関して競技団体又はその機関が競技者等に対して行った決定」とし、ただし、「競技中になされる審判の判定は除く。」と規定している。
(2) 本件決定1及び2について
 本件決定1及び2は、競技の前日である2016年12月10日に行われたライセンス・コントロールにおいてなされたものである。したがって、「競技中になされる審判の判定」とはいえない。実質的にも、本件決定1及び2は、競技者の競技への参加条件に関わるものとして、その競技への参加の可否を左右するものであり、競技者に大きな不利益を与えかねないものであるから、事後的な審査の対象とする必要性は高い一方で、競技開始の充分前になされた決定であるから、これを事後的な審査の対象としても、競技の適切な進行の妨げとなることはない。
 よって、本件決定1及び2に関する本案前の答弁は認められない。
(3) 本件決定3について
 本件決定3は、女子レースがスタートした2016年12月11日午後0時30分のごく直前になされた、コミセールの足元に向かつて唾を吐きかけたというX2の行為を対象とするものである。確かに、スタートのホイッスルが鳴る前の行為であるとはいえ、すでに選手がスタート位置につき、競技の準備段階に入っていたことは明らかである。この時点に至れば、競技の適切な進行を確保するために、審判の判断・権限・威信が最大限に尊重されなければならない。したがって、本件決定3は、「競技中になされる審判の判定」にあたるから、仲裁申立ての対象とはならない。
 よって、本件決定3に関する本案前の答弁を認め、申立人らの請求(3)に関する仲裁申立てはこれを却下する。

 

2 本案について
(1) 本件スポーツ仲裁パネルの判断基準
 当機構における過去の仲裁判断では、「①国内スポーツ連盟の決定がその制定した規則に違反している場合、②規則には違反していないが著しく合理性を欠く場合、③決定に至る手続に瑕疵がある場合、または④国内スポーツ連盟の制定した規則自体が法秩序に違反しもしくは著しく合理性を欠く場合において、それを取り消すことができる」との判断基準が示されており、本件スポーツ仲裁パネルもこの基準が妥当であると考える。よって、本件においても、上記基準に基づき判断する。
(2) 本件決定1及び2について
 本件大会の実施要項は、同大会に適用される競技規則は、被申立人競技規則であると定めており、被申立人競技規則第8条第7項第1号は、「チーム・団体名またはその略称をジャージに表記しなければならない。」と定めている。
 一件記録及び審問の結果によれば、以下の事実が認められる。X1は、フランスにおけるロードレース競技のチームである「E」に所属している。同人は、所属チームを「E」として本件大会に参加申し込みをしたものの、本件大会は、2017年シクロクロス世界選手権への代表候補選手の選考会を兼ねていたことから、フランスの代表チームである同チームのジャージを着用することができないこと、また、シクロクロス競技の大会である本件大会において、ロードレースのチームである同チームのジャージを着用することは、スポンサーとの関係でもできないことを認識していた。そこで、2016年12月10日に行われたライセンス・コントロールにおいて、「E」のジャージではなく、市販品である申立人ジャージ①を持参したところ、Aから、申立人ジャージ①には「E」の名称も略称も表記されていないことを指摘された。
 上記のとおり、被申立人競技規則第8条第7項第1号は、「チーム・団体名またはその略称をジャージに表記しなければならない。」と定めているのであり、申立人ジャージ①には「E」の名称も略称も表記されていなかったのは事実であるから、Aの上記指摘は正当なものと認められる。
 また、X1が、申立人ジャージ①ではなく、「D」「BIKE SHOP D」「D MADE IN F(Fは地域名)」と記載された申立人ジャージ②を提示したところ、Aは、申立人ジャージ②にも、「E」の名称も略称も表記されていないことを指摘した上で、チーム名を、X1の国際ライセンスに記載されたクラブ名である「D・G」に変更すれば、警告は受けるものの、競技への出場は可能である旨を示唆した。
 申立人ジャージ①に対する指摘と同様の理由で、Aの上記指摘も正当なものと認められる。
 他方、X1が、Aによる上記示唆に明示的に応じたことまでは認定できないものの、X1がこれを受け入れなければ、「チーム・団体名またはその略称をジャージに表記しなければならない。」と定める被申立人競技規則第8条第7項第1号を遵守できず、翌日の競技に出場できなかったのであるから、X1は、このAによる示唆に少なくとも黙示に応じたものと認められる。
 X1は、AがX1のチーム名を独断で、「E」から「D・G」に変更する決定を行ったと主張し、その取消しを求めているが、上述のとおり、チーム名の変更はAが決定したものとは認められない。
 申立人らは、被申立人がジャージの登録制度を用意していないことから、競技者が着用するジャージが登録ジャージと同一のものであるか否かを判別する基準が不明確になっており、コミセールによる恣意的な判断を招来していると主張する。しかし、被申立人競技規則第8条第7項第1号は、「チーム・団体名またはその略称をジャージに表記しなければならない。」と明確に定めているのであって、仮にジャージの登録制度に不備があったとしても、被申立人競技規則第8条第7項第1号の明文に反し、チーム・団体名もその略称も表記されていないジャージの競技における着用が許されることにはならない。
 また、申立人らは、過去においてX1が本件ジャージ①を着用して競技への参加が認められたことがあると主張する。しかし、仮にX1による本件ジャージ①の着用が認められた競技大会があったとしても、それは、申立人の主張によれば、被申立人主催のものではなくUCI主催のものであるというのであり、適用される競技規則が異なる(被申立人競技規則ではない。)。よって、仮にそれが事実であったとしても、本件大会においてX1が本件ジャージ①を着用して競技への参加が認められることにはならない。なお、申立人らは、被申立人競技規則はUCI規則に反することは許されないとも主張するが、UCI規則1.3.045は、「国内競技日程上の競技において、チームは、年間を通じて変更できない単一のデザインの衣服(色彩と配色)を使用できる。他の事項については、開催国の国内連盟が決定する。」と定め、競技者が着用する競技用ジャージに関する事項の決定を国内連盟に授権しているから、申立人らの当該主張は認められない。
 さらに申立人らは、チーム・団体名もその略称も記載されていないジャージを着用して競技への参加を認められている他の競技者が存在すると主張する。しかし、仮にそのような事例があるとしても、X1の被申立人競技規則第8条第7項第1号違反を正当化するものではない。なお、申立人らは、Aが、特に申立人らを狙い打ちして厳しく恣意的な判断を行っているとも主張するが、本件大会においては、X1以外に2名の選手が、事前に登録していたチーム名と持参したジャージの記載に齟齬があったことから、X1と同様、エントリー後のチーム名変更として警告を受けており、他の全証拠を勘案しても、チーム・団体名またはその略称をジャージに記載すべきことを規定する被申立人競技規則の適用・運用において、Aが特に申立人らを狙い撃ちして厳しく恣意的な判断を行ったとの申立人ら主張を認めるに足りる証拠はない。なお、X1が有力な競技者であることは被申立人も認めるところであって、有力な競技者には、他の競技者の範となるべく、競技規則に精通しこれを遵守することが求められるのは当然のことであることを付言する。
 以上に鑑みれば、被申立人による本件決定1については、①被申立人競技規則に違反した処分ではなく、②制裁の程度は当該違反行為の内容と比較衡量しでも相当性を有しており、③本件決定1の決定手続に瑕疵はなく、④締め切り後のチーム名の変更を認めないとする被申立人競技規則及び規則違反に対する制裁を科す旨の被申立人競技規則が法秩序に違反しもしくは著しく合埋性を欠くともいえない。よって、本件決定1の取消しを求める申立人らの請求は、これを棄却するものとする。
 また、被申立人による本件決定2については、そもそもそのような決定の存在が認められない。よって、本件決定2の取消しを求める申立人らの請求は、これを棄却するものとする。
(3) 本件決定3について
 本件決定3に関するX2の申立てが却下されるべきことは上述のとおりであるが、なお事案に鑑み、本件決定3が正当か否かについて付言する。
 X2が、審判員であるチーフ・コミセールに対し、コース上で唾を吐いた行為は、明らかに「侮辱」または「下品な行動」に該当する。これに対する罰金10,000円という制裁の程度も相当なものである。
 X2は、本件決定3は本来3名のコミセールで構成されるコミセール・パネルにより決定されなければならないところ、申立人らが提出したコミュニケ11にはAの手書きのサインしかなく、単独でなされた本件決定3は無効であると主張する。しかし、本件大会の直後、本件仲裁申立てがなされる前にAが作成した2016年12月19日付け「日本自転車競技連盟レースレポート」(乙6)には、「違反行為が女子レーススタート時刻12:30の1~2分前であったため、制裁は女子レース中にPCP Aがフィニッシュジャッジ兼任のコミッセールパネルメンバー、Bを13:01に、ピットコントロール兼任であったCを13:09に、それぞれの担当部署を訪問して合意形成を行った。」と、具体的な経緯が詳細に記載されている。
 上記2名のコミセールに対しては、申立人らから証人尋問の申請があり、スポーツ仲裁パネルはこれを採用したが、被申立人は同行できないとのことであった。そこでスポーツ仲裁パネルは、上記2名に対し、電話等の方法でもよいと記載した呼出状を送付したが、それでも上記2名は証人尋問に応じなかった。スポーツ仲裁パネルとしてはそのような対応を遺憾に思うものの、他方で、申立人らから提出された証拠は、本件決定3がコミセール3名の合意でなされたことを疑わせるものではない(たとえば、「ピットにずっといたがAがピットに来たのを見ていない」との証言については、同人がAの行動をすべて観察し、ピットに絶対に来なかったと断言しているわけではないと認められる。)。仮にAの行動が、競技のスタート直前に競技者の集中を阻害しかねない行為であったとしても、X2がコース上で唾を吐いた行為が「侮辱」または「下品な行動」に該当することは明らかであり、X2が縷々主張する事情は、これを正当化するものとはなりえない。
 よって、被申立人による本件決定3については、何らの瑕疵も認められない。
(4) 謝罪の請求について

 申立人らは、「第1 当事者の求めた仲裁判断」1(4)記載のとおり、被申立人に対して謝罪を求めている。しかし、スポーツ仲裁規則第2条第1項は、スポーツ仲裁は、「スポーツ競技又はその運営に関して競技団体又はその機関が競技者等に対して行った決定について、その決定に不服がある競技者等・・・が申立人として、競技団体を被申立人としてする仲裁申立てに適用される。」と規定しており、仲裁判断の対象は、「スポーツ競技又はその運営に関して競技団体又はその機関が行った決定の当否」に限定されている。申立人の上記申立ては、競技団体等の行った決定を対象としたものではなく、仲裁判断の対象とはなりえない(JSAA-AP-2015-001事件等。)。したがって、これらの申立てを却下する。

 

第6 結論

 以上の理由により、主文のとおり仲裁判断をする。

 

 

以上

 

(別紙1)

仲裁手続の経過

1.  2016年12月26日、申立人らは、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(以下「機構」という。)に対し、「仲裁申立書(X1)」「仲裁申立書(X2)」を提出し、本件仲裁を申し立てた。

 同日、機構は、スポーツ仲裁規則(以下「規則」という。)第15条第1項に定める確認を行った上、同条項に基づき申立人の仲裁申立てを受理した。
2.  2017年1月17日、被申立人は機構に対し、「委任状」を提出した。
3.  同月23日、被申立人は機構に対し、「仲裁人選定通知書」を提出した。
 同日、機構は、被申立人が提出した「仲裁人選定通知書」に基づき、被申立人側仲裁人として早川吉尚を選定し、「仲裁人就任のお願い」を送付した。
4.  同月24日、申立人らは、仲裁人選定期限までに仲裁人を選定しなかったため、機構は、規則第22条第2項に基づき、手塚裕之に「仲裁人就任のお願い」を送付した。
 同日、被申立人は機構に対し、「JSAA-AP-2016-007答弁書」「JSAA-AP-2016-008答弁書」「証拠説明書(1)」及び書証(乙第1~18号証)を提出した。
5.  同月25日、手塚裕之及び早川吉尚は、仲裁人就任を承諾した。
6.  同月26日、機構は、手塚仲裁人及び早川仲裁人に対し、「第三仲裁人選定のお願い」を送付した。
7.  同月31日、手塚仲裁人及び早川仲裁人は、機構に対し、「第三仲裁人選定通知書」を提出した。

 同日、機構は、「第三仲裁人選定通知書」に基づき、山内貴博を第三仲裁人に選定し、「仲裁人就任のお願い」を送付した。

 同日、山内貴博は、仲裁人長就任を承諾し、山内仲裁人を仲裁人長とする、本件スポーツ仲裁パネルが構成された。
 同日、被申立人は、機構に対し、「証人尋問申請書」を提出した。
8.  同年2月9日、本件スポーツ仲裁パネルは、事案の明確化のための措置に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(1)」を行った。。
9.  同月21日、申立人らは、機構に対し、「第1主張書面」を提出した。
10.  同年3月10日、本件スポーツ仲裁パネルは、両当事者に対する釈明事項に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(2)」を行った。
11.  同月31日、申立人らは、機構に対し、「パネル決定(2)についての答弁書」及び「証拠画像」を提出した。
 同日、被申立人は、機構に対し、「準備書面1」「証拠説明書(2)」及び書証(乙第19~25号証)を提出した。
12.  同年5月1日、本件スポーツ仲裁パネルは、審問の開催日程等に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(3)」を行った。
13.  同5月10日、被申立人は、機構に対し、「意見書」を提出した。
14.  同月17日、本件スポーツ仲裁パネルは、審問当日の進行等に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(4)」を行った。
15.  同月22日、申立人らは、機構に対し、「証人尋問の申出書」を提出した。
 同日、被申立人は、機構に対し、「被申立人主張書面(1)」を提出した。
16.  同年6月9日、本件スポーツ仲裁パネルは、証人の採否等に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(5)」を行った。

 同日、被申立人は、機構に対し、「準備書面2」「証拠説明書(3)」及び書証(乙26~29号証)を提出した。
17.  同月15日、被申立人は、機構に対し、「上申書」を2通提出した。
18.  同月16日、本件スポーツ仲裁パネルは、証人として採用されたB及びCに対し、審問期日への呼出状(映像付きSkype又は電話の方法で証人尋問を受けることの打診を含む)を送付した。
19.  同月19日、証人Cから、機構に対し、審問期日にはいずれの方法でも出席しない旨の回答があった。
20.  同月20日、証人Bから、機構に対し、審問期日にはいずれの方法でも出席しない旨の回答があった。
21.  同月21日、東京において審問期日が開催された。X1は、映像付きSkypeの方法で、審問期日に出席した。
22.  同月23日、本件スポーツ仲裁パネルは、両当事者に対する釈明事項に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(6)」を行った。
23.  同年7月14日、被申立人は、機構に対し、「準備書面3」「証拠説明書(4)」及び書証(乙第30~32号証)を提出した。
24.  同月15日、申立人らは、機構に対し、「スポーツ仲裁」と題された書面及び証拠画像を提出した。
25.  同月19日、申立人らは、機構に対し、「追加資料について」と題された書面及び証拠画像等を提出した。
26.  同月20日、被申立人は、機構に対し、「意見書」を提出した。
27.  同月21日、本件スポーツ仲裁パネルは、期限を過ぎて提出された申立人らの書面及び証拠の扱い等に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(7)」を行った。
28.  同月25日、被申立人は、機構に対し、「準備書面4」を提出した。
29.  同月31日、本件スポーツ仲裁パネルは、審理の終結に関して、「スポーツ仲裁パネル決定(8)」を行い、同決定をもって、本件の審理を終結した。

以上

 

 

 

 




以上は,仲裁判断の謄本である。

公益財団法人日本スポーツ仲裁機構

代表理事(機構長)山本 和彦

※申立人等、個人の氏名、地域名はアルファベットに置き換え、各当事者の住所については削除してあります。





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