仲裁判断

 

仲裁判断(2015年11月26日公開)
仲裁判断の骨子(2015年11月13日公開)


仲裁判断

仲 裁 判 断
公益財団法人日本スポーツ仲裁機構
JSAA-AP-2015-007

申立人1:X1

 

申立人2:X2(以下X1及びX2を総称して「Xら」という)


申立人ら代理人:弁護士 吉田 幸加

        弁護士 前島 裕人


被申立人:松本水泳協会


被申立人代理人:弁護士 福田 雅春


主   文


1 被申立人は、被申立人が2015年8月3日になしたとする、X1に対する以下の各号の決定を取り消す。

(1)「第48回(原文ママ)中信選手権水泳競技大会要項に明記されるとおり、年度当初の登録団体(A)以外での出場は認めません。」、との決定(なお、左記にいう「2015年度第48回(原文ママ)中信選手権水泳競技大会とは、2015年9月6日(日)開催の第46回中信選手権水泳競技大会を指すものとする)

(2)「平成28年度(2016年)中信選手権水泳競技大会までの、水泳競技大会出場を禁止します。」、との決定

2 被申立人は、被申立人が2015年8月3日になしたとする、X2に対する、「松本水泳協会主催の水泳競技会出場を1年間停止します」、との決定を取り消す。

3 被申立人は、X1及びX2所属選手の今後の活躍を期待する。

4 Xら及び被申立人は、本和解の内容を、スポーツ仲裁規則第45条に基づき、仲裁判断として公開することに同意する。

5 X1と被申立人は、X1と被申立人との間における、本仲裁申立てにおいて取消しの対象となった決定に基づく紛争について解決し、当該紛争に関しX1及び被申立人の双方の間に債権債務がないことを確認する。

6 X2と被申立人は、X2と被申立人との間における、本仲裁申立ての対象となった決定に基づく紛争について解決し、当該紛争に関しX2及び被申立人の双方の間に債権債務がないことを確認する。

7 本仲裁申立てにかかる費用は、各自の負担とする。


 

理由

第1 判断の理由


1 本件スポーツ仲裁パネルは、2015年11月1日、同日付け審問期日において、当事者双方が、本件を和解で解決することを希望し、スポーツ仲裁規則第45条に基づき、その和解内容を仲裁判断とすることを要請したことを受け、当事者双方に和解案の提案を行った。


2 Xら及び被申立人は、同日、この和解案を被申立人が機関決定で承認し、当該承認にかかる議事録をXらに対し送付すること、を条件にこの和解案に合意した。


3 被申立人は、2015年11月9日、この和解案を、その常務理事会において承認した。


4 被申立人は、2015年11月10日、Xらに対し、上記承認にかかる議事録を送付した。


5 以上の経過から、本件スポーツ仲裁パネルは、両当事者の和解内容を仲裁判断とする要請を受けてこれを相当と認め、和解内容等を仲裁判断とする。


第2 結論


 よって、本件スポーツ仲裁パネルは主文のとおり判断する。

 なお、本件スポーツ仲裁パネルは、(1)X1及びX2所属の選手が今後水泳競技を行うにあたり、被申立人が、主文第1項及び第2項記載の決定並びに本仲裁申立てを原因とする不安や不利益がX1及びX2所属の選手に生じることがないよう努力すること、(2)X2が被申立人の運営に加盟団体として協力すること、を期待する。

 

以上

2015年11月13日

スポーツ仲裁パネル

仲裁人 須網 隆夫   

仲裁人 小泉 英郷   

仲裁人 田村 裕一郎  


仲裁地:東京

(別紙)

仲裁手続の経過

1. 2015年9 月16 日、Xらは、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(以下、「機構」という。)に対し、「仲裁申立書」「上申書」「委任状」「証拠説明書」及び書証(甲第1~27号証)を提出し、本件仲裁を申し立てた。

2. 同月17日、機構は、スポーツ仲裁規則(以下、「規則」という。)第15条第1項に定める確認を行った上、同条項に基づきXらの仲裁申立てを受理した。

3. 同月24日、被申立人は、機構に対し、「ご連絡」と題する文書を提出した。

4. 同月28日、被申立人は、機構に対し、「委任状」を提出した。

5. 同月29日、Xらは、機構に対し、「上申書(2)」を提出した。

6. 同月30日、機構は、須網隆夫、小泉英郷及び田村裕一郎に「仲裁人就任のお願い」を送付した。

 同日、須網隆夫は、仲裁人就任を承諾した。

7. 同年10月1日、小泉英郷及び田村裕一郎は、仲裁人就任を承諾し、須網仲裁人を仲裁人長とする、本件スポーツ仲裁パネルが構成された。

8. 同月2日、本件スポーツ仲裁パネルは、答弁書提出期限及び審問期日開催に関する「スポーツ仲裁パネル決定(1)」を行った。

9. 同月6日、本件スポーツ仲裁パネルは、審問期日開催に関する「スポーツ仲裁パネル決定(2)」を行った。

 同日、被申立人は、機構に対し、「答弁書」「委任状」「証拠説明書」及び書証(乙第1~8号証)を提出した。

10. 同月7日、本件スポーツ仲裁パネルは、「スポーツ仲裁パネル決定(3)」を行った。

11. 同月8日、本件スポーツ仲裁パネルは、被申立人に釈明を求める「スポーツ仲裁パネル決定(4)」を行った。

12. 同月8日、Xらは、機構に対し、「準備書面(1)」」「証拠説明書」及び書証(甲第28~40の3号証(ただし、第37の2、38の2及び39の2号証を除く)を提出した。

13. 同月9日、長野市において審問が開催された。

 同日、Xらは、書証第37の2、38の2、39の2及び41~45号証を提出した。

14. 同月14日、本件スポーツ仲裁パネルは、本仲裁手続きの審理終結日を同月26日とすることに関する「スポーツ仲裁パネル決定(5)」を行った。

15. 同月19日、本件スポーツ仲裁パネルは、本仲裁手続きの審理終結日を同月26日と決定する「スポーツ仲裁パネル決定(6)」を行った。

16. 同月26日、本件スポーツ仲裁パネルは、公益財団法人日本水泳連盟及び公益財団法人日本体育協会への照会に関する「スポーツ仲裁パネル決定(7)」及び審問期日の開催について両当事者に意見を求める「スポーツ仲裁パネル決定(8)」を行った。

 同日、Xらは、機構に対し、「準備書面(2)」及び書証(甲第46~48号証)を提出した。

 同日、被申立人は、機構に対し「準備書面1」を提出した。

 同日の経過をもって、本件スポーツ仲裁パネルは、本仲裁手続きの審理を終結した。

17. 同月28日、公益財団法人日本水泳連盟及び公益財団法人日本体育協会は、それぞれ、機構に対し、同月26日に機構が行った照会に対する「回答書」を提出した。

 同日、本件スポーツ仲裁パネルは、審理の再開の決定を通知する「スポーツ仲裁パネル決定(9)」を行った。

18. 同月29日、本件スポーツ仲裁パネルは、審問期日の日時、場所等に関する「スポーツ仲裁パネル決定(10)」を行った。

19. 同年11月1日、松本市において審問が開催された。

 同日、審問の終了に伴い、本件スポーツ仲裁パネルは審理を終結した。

20. 同月13日、スポーツ仲裁パネルは、規則第50条第5項及び第45条に基づき、仲裁判断を行った


以上


 

以上は,仲裁判断の謄本である。

公益財団法人日本スポーツ仲裁機構

代表理事(機構長) 山本 和彦



仲裁判断の骨子

仲 裁 判 断 の 骨 子
公益財団法人日本スポーツ仲裁機構
JSAA-AP-2015-007

申立人1:X1

 

申立人2:X2(以下X1及びX2を総称して「Xら」という)


申立人ら代理人:弁護士 吉田 幸加

        弁護士 前島 裕人


被申立人:松本水泳協会


被申立人代理人:弁護士 福田 雅春


主   文


1 被申立人は、被申立人が2015年8月3日になしたとする、X1に対する以下の各号の決定を取り消す。

(1)「第48回(原文ママ)中信選手権水泳競技大会要項に明記されるとおり、年度当初の登録団体(A)以外での出場は認めません。」、との決定(なお、左記にいう「2015年度第48回(原文ママ)中信選手権水泳競技大会とは、2015年9月6日(日)開催の第46回中信選手権水泳競技大会を指すものとする)

(2)「平成28年度(2016年)中信選手権水泳競技大会までの、水泳競技大会出場を禁止します。」、との決定

2 被申立人は、被申立人が2015年8月3日になしたとする、X2に対する、「松本水泳協会主催の水泳競技会出場を1年間停止します」、との決定を取り消す。

3 被申立人は、X1及びX2所属選手の今後の活躍を期待する。

4 申立人ら及び被申立人は、本和解の内容を、スポーツ仲裁規則第45条に基づき、仲裁判断として公開することに同意する。

5 X1と被申立人は、X1と被申立人との間における、本仲裁申立てにおいて取消しの対象となった決定に基づく紛争について解決し、当該紛争に関しX1及び被申立人の双方の間に債権債務がないことを確認する。

6 X2と被申立人は、X2と被申立人との間における、本仲裁申立ての対象となった決定に基づく紛争について解決し、当該紛争に関しX2及び被申立人の双方の間に債権債務がないことを確認する。

7 本仲裁申立てにかかる費用は、各自の負担とする。


 

理由

第1 判断の理由


1 本件スポーツ仲裁パネルは、2015年11月1日、同日付け審問期日において、当事者双方が、本件を和解で解決することを希望し、スポーツ仲裁規則第45条に基づき、その和解内容を仲裁判断とすることを要請したことを受け、当事者双方に和解案の提案を行った。


2 Xら及び被申立人は、同日、この和解案を被申立人が機関決定で承認し、当該承認にかかる議事録をXらに対し送付すること、を条件にこの和解案に合意した。


3 被申立人は、2015年11月9日、この和解案を、その常務理事会において承認した。


4 被申立人は、2015年11月10日、Xらに対し、上記承認にかかる議事録を送付した。


5 以上の経過から、本件スポーツ仲裁パネルは、両当事者の和解内容を仲裁判断とする要請を受けてこれを相当と認め、和解内容等を仲裁判断とする。


第2 結論


 よって、本件スポーツ仲裁パネルは主文のとおり判断する。

 なお、本件スポーツ仲裁パネルは、(1)X1及びX2所属の選手が今後水泳競技を行うにあたり、被申立人が、主文第1項及び第2項記載の決定並びに本仲裁申立てを原因とする不安や不利益がX1及びX2所属の選手に生じることがないよう努力すること、(2)X2が被申立人の運営に加盟団体として協力すること、を期待する。

 

以上

2015年11月13日

スポーツ仲裁パネル

仲裁人 須網 隆夫   

仲裁人 小泉 英郷   

仲裁人 田村 裕一郎  


仲裁地:東京


 

以上は,仲裁判断の謄本である。

公益財団法人日本スポーツ仲裁機構

代表理事(機構長) 山本 和彦


  ※申立人等、個人の氏名、地域名はアルファベットに置き換え、各当事者の住所については削除してあります。


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